おいたんたんたん

野菜のことと雑記のアソートでございます

火事になったら、アルバムを持ち出せ

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8年前に、実家が火事で全焼した。

 

たしか12月だったと記憶している。

ワイは仕事から帰って、家でリラックスしていた。

 

当時の家は、築50年くらいの平屋だった。

天井からはねずみの歩く音が聞こえ、トイレは外のボットン便所。

縁側の居心地がいいくらいしか長所がなく、あとは不満しかなかった。

 

晩飯を食った後、携帯をずーーーーーーーーーーっといじっていた。

たいしてメールこないくせに。

 

メールがこなくて虚しかったから、日課の夜散歩にでかけた。

外はえらく寒かった。少し雲は出ていたけれど、星が綺麗だった。

寒さなんて熱い曲を聴いて相殺してやる。

当時流行っていた創世のアクエリオンの主題歌を、散歩中ひたすらリピートしていた。

いつもの景色をみながら、いつも通り家路についた。

 

着いて5分した頃だろうか。茶の間でテレビをみていた弟が、いきなり風呂場の方に走って行った。

 

「どんだけ風呂入りたいんだよwww」

 

ワイはニヤニヤした。

すると、風呂場の方から弟が叫ぶのである。

 

「火事火事火事火事!!!!!!!!」

 

ワイは真顔になった。

 

ジョークだと思って風呂場の方に行ってみると、本当に燃えているわけである。

ジョークかよってレベルで。

火と煙が迫ってきているなか、何を持ち出そうかを考えた。

結果的にワイは、ブランドものの服を数着と財布を持って家を飛び出した。

あっという間に火は燃え広がり、盛大なキャンプファイヤーになった。

ワイはその火が消される一部始終を観察しながら、記憶の回想にふけっていた。

 

 

時が経つごとに後悔が深まる。

 

『なぜアルバムを持ち出さなかったのか』

 

と。

 

自分が小さい時の写真がもうない。

卒業アルバムに書いてもらった、友人たちからのコメントがもうみられない。

車のコピーに『モノより思い出』ってあるけど、マジでそれ。

火事になったら、アルバム。わかった?

火事になったら、アルバム。まじで。

 

どんなに高価でも、物ならば替えが効く。

アルバムにフェニックスの尾ザオリクが使えたらいいのにな。

 

さよなら!